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第25話 奈落に灯った最初の国

Autor: なつめ
last update Fecha de publicación: 2026-08-20 11:39:55

天井が落ちた。

巨大な石塊が黒紫色の魔力に触れた途端、粉々に砕ける。砂塵が一気に舞い上がり、視界が灰色へ染まった。折れた柱が回廊を塞ぎ、床から噴き出した魔力が黒い雷のように壁を走る。

「ネフィリア!」

リュゼルは叫びながら腕で顔を庇った。

返事はない。

中心にいるネフィリアは、両足を床へつけてすらいなかった。

銀白の髪を逆巻かせ、ほんの少し宙へ浮かんでいる。背中から広がった巨大な黒紫色の翼が、彼女の細い身体に到底収まるとは思えないほどの魔力を放ち続けていた。

完全に解放された力。

数百年分。

本来なら長い時間をかけて身体へ馴染むはずだったものが、一度に戻っている。

「シュカ!」

奥の部屋へ向かって叫ぶ。

「みんな連れて奥へ!」

返事。

聞き取れない。

だが子どもたちの足音が遠ざかっていく。

逃げるなら今だった。

神殿そのものが崩れている。

出口まで走れば、間に合うかもしれない。

ネフィリアを置いて。

その考えが頭を掠めた瞬間。

リュゼルは自分でそれを切り捨てた。

できるはずがない。

自分が手を伸ばすと決めた。

掴むかどうかは彼女に任せる。

だが、彼女が掴んだ後でこちらから手を離すつも
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